技術士その3_熱流体の問題の難易度

こんにちは

技術士2次試験は、20問中15問回答する択一(必須科目)と、記述(選択科目)の2つで構成されています。択一で6割未満だと記述の方は採点されません。択一の難易度を確認するため、技術士2次試験の問題を見てみましょう。分野はエネルギー管理士や高圧ガス甲種化学を持っている私が比較しやすい、熱流体とします。熱流体に関しては主に、機械部門、応用理学部門から出題されます。平成27年度の技術士二次試験択一の問題で、エネ管と高圧ガスで範囲が重複する4問を解いてみました。(後一問、熱流体ではマッハ数に関する問題がありましたが省略します)

【平成27年度 機械部門】
1-9 内燃機関とその基本サイクルに関する次の(ア)~(オ)の記述について、正しいものの組み合わせとして適切なものはどれか。
(ア)オットーサイクルは、断熱、等積加熱(等容加熱)、断熱膨張、等積放熱(等容放熱)からなるサイクルである。
(イ)オットーサイクルの理論効率は、圧縮比、比熱比、供給熱量によって決まる。
(ウ)ディーゼルサイクルでは燃焼を問う等圧加熱で行うが、サバテサイクルでは燃焼を等積加熱と等圧加熱とで行う。
(エ)ディーゼルサイクルの理論効率は、圧縮比、比熱比、平均有効圧力によってきます。
(オ)ガソリン機関では、圧縮比の増加は熱効率向上・高出力のために有効であるが、ノッキングが発生するので、圧縮値の値には限度がある。
①ア,ウ,エ ②ア,イ,オ ③イ,エ,オ ④ア,ウ,オ ⑤イ,ウ,エ

【解答実況】
(ア)(PV図を思い浮かべながら)オットーは容断容断だからあってるな。→○
(イ) η=1-Q2/Q1=1-1/ε^(κ-1)で、εが圧縮比で、κが比熱比だから・・・供給熱量と排熱量、または圧縮率と比熱比だから、3つ必要な(イ)の文面は一部おかしくないかな? →△
(ウ)(PV線図を思い浮かべながら)オットーは容断圧断だからで等圧で燃焼を行うな。OK。サバテはオットーとディーゼルを合わせたやつだから、等積等圧でいいな。OK。 →○
(エ) うーん。覚えていない。圧縮比と比熱比は出てくるのは間違いないけど、平均有効圧力?圧力ってことは仕事を体積で割ったもの、仕事と圧力の関数だから、間違っているとも判断できない。保留→△
(オ)何事にも限度はあるでしょう。文末の表現はOK。原因はノッキング?高熱になるとノッキングが起こるからまあOKかな?常識的に考えて、圧縮率が高くなると高出力にはなるな。ってことは効率も上昇でいいのかな? →△に近い○。
あれ?確実に×と言えるのが無い・・・。△より○を優先して、(ア)(ウ)(オ)の④が正解かな?

【答え(公式回答)】 →④
やったね。うーん、なんかギリギリだな。次に行こう。
【平成27年度 機械部門】
1-10 熱の移動形態の1つである熱伝導に関する記述のうち、最も不適切なものはどれか?
①一般に純物質の熱伝導率は、固体、液体、気体の順に小さくなる。
②室温付近の熱伝導率は、銀、銅、アルミニウム、ステンレス鋼、炭素鋼の順に小さくなる。
③金属箔と樹脂膜からなるラミネートフィルムの間にグラスウールなどを入れた真空断熱材は、内部を真空とし熱伝導、対流伝熱、放射伝熱を減らすものである。
④温度差のある物体中を伝わる熱流束は、熱伝導率を比例定数として温度勾配に比例する。これをフーリエの法則という。
⑤液体ナトリウムは水に比べて熱伝導率が高く、高速増殖炉の冷却剤として適している。

【解答実況】
①純物質なら水を例に考察しよう。いや、待て、水は例外的な挙動が多いから下の選択肢で目に入ったアルミニウムで考えよう。熱伝導は固体はすぐに熱くなるな、液体は固体よりは伝わりにくい、アルミニウムの気体が想像できないが、まあ、原子/分子間距離が大きくなるため伝わりにくいだろう。うん、合っているな。というか、普通に原子/分子間距離と原子/分子間力だけで考えればよかったのかも。 →○
②大学受験でよく出る問題だなぁ。銀銅の順はOKだろう。化学会社に勤めていて炭素鋼とかよく触っていたけど、あれは熱伝導性良くないから一番下でいいかも。アルミニウムとステンレスの位置が確約を持てない。逆かもしれない。ステンレスは鉄とクロムが主成分の合金だからアルミニウムよりも高い気もする。保留→△
③3つキーワードが出てくると大抵1個間違っているのが混じっているパターン多いよなぁ。熱伝導は真空断熱だと伝わらないからOKか。対流伝熱は真空だから抑制されるかな。放射伝熱・・・。放射は電磁波だから真空も何も関係なくないかな?いや、真空ってことは気体分子が存在しないのか。分子振動が起きないから・・・って内部にグラスウールとかあるじゃん。これ、違うっぽいな。 →×
④お、フーリエの式。基本中の基本だな。q=-λ*dθ/dx。ラムダは熱伝導率。よし、OK。→○
⑤液体ナトリウムって、速中性子を減速させるために入れてるんじゃないっけ?伝導率は高い、冷却材に適しているは合っているけど、熱伝導率が高いから使っているわけではないだろう。日本語の問題か?→△
うーん。③と⑤の悩み度合いに比べたら、②は些細なことだろう。③、③でお願いします。

【答え(公式回答)】 →②
(#)’3`;;)・;’.、グハッ。間違えた。調べてみた。
「銀、銅、アルミニウム、炭素鋼、ステンレス鋼の順番に小さくなる。」
知るか!ヽ(#`Д´)ノ

【平成27年度 機械部門】
1-11 まっすぐな円管内流れの特性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
①円管に流れを導くと、速度境界層が下流に向かって発達し、十分に発達すると速度分布が下流方向に変化しなくなる。
②流れが層流の場合、十分に下流では放物線型速度分布となる。
③十分に発達した層流では、管摩擦係数はレイノルズ数によらず一定となる。
④十分に大きなレイノルズ数の乱流では、管摩擦係数は円管内面の相対粗さに依存する。
⑤流れのレイノルズ数は、(円管内径)×(断面平均流速)/(流体の動粘度)で計算できる。

【解答実況】
まず、前提条件として、円管は水平なの?垂直なの?重力方向は?まあ、水平として考えよう。都合が悪くなったら垂直も考えよう。
①特に問題ない記述ですね。 →○
②層流は放物線型になりますね。 →○
③おやぁ、これはエネ管の今年の問題で出たλ=64/Reじゃないですかー。レイノルズ数に反比例してるやつっすよー。 →×
④依存するって書き方ずるいよ。1次に比例するとかならバサっと切れるのに。保留 →△
⑤代表長さはここでいう円管内径で、式の分母の粘度と動粘度のひっかけもないな。OK。→○
ついに自信を持って答えが言える時が来た。③だー!
【答え(公式回答)】 →③
よし!

【平成27年度 応用理学部門】
1-16 次の(ア)~(オ)に入る語句の組み合わせとして最も適切なものはどれか?
 下図は、原位置でのピエゾメータ(底ぶたの無い側壁に孔のあいていないケーシングを帯水層中などにせっちしたもの)中の水位を示したものである。gijyutusi2.jpg
ここで、ベルヌーイの定理は、(ア)において成立し、(イ)の全エネルギーは、(ウ)において全ての流線に沿って一定である。これを式であらわすと、
               gz + P/ρw + v^2/2 =一定
となる。
 ここで、gは重力加速度、zはピエゾメータの基準高さ、Pは水の合う力、ρwは水の密度、vは速度である。常識を重力加速度gで割ることで単位重量当たりのエネルギーとなる。このとき、左辺第一項zは(エ)、同第2項は(オ)、同第3項は速度水頭といわれる。第3項は地下水の流速が遅いことから一般に無視される。このとき、(エ)と(オ)の和は全水頭と呼ばれる。
   ア     イ     ウ    エ    オ
① 層流下  圧縮性流体   開区間  圧力水頭  位置水頭
② 乱流下  非圧縮性流体  閉区間  位置水頭  圧力水頭
③ 層流下  非圧縮性流体  開区間  圧力水頭  位置水頭
④ 層流下  非圧縮性流体  閉区間  位置水頭  圧力水頭
⑤ 乱流下  圧縮性流体   開区間  位置水頭  圧力水頭

【解答実況】
ベルヌーイの式をzで割るのは定番中の定番。まず、(エ)と(オ)から片づけよう。第1項はzとなるので高さすなわち位置、位置水頭だろう。第2項は分子に圧力があるので圧力水頭。ベルヌーイは層流に適用だったけかな?乱流に適用できる式がこんなに単純なはずないもんね。(ア)は層流。圧縮性も考えるとこんなに単純な式になるはずないから(イ)は非圧縮性流体だね。(ウ)は開区間だったら(エネルギーバランス的に)何でもアリになっちゃうから常識的に考えて閉区間だろう。(ウ)は閉区間。
上記全てを満たす④が正解だ m9っ`Д´) ビシッ!!

【答え(公式回答)】 →④
よかった。

【結果】 3勝1敗。

【総評】 いかがだったでしょうか?必須科目は90分で15問解かねばなりません。正確には、90分で20問から取捨選択して15問解くことになります。難易度的に、数値計算がない分、エネルギー管理士や高圧ガスとやや優しい~同レベルだと感じました。ただし、あくまで熱流体分野を抽出しただけで、15問中のそれ以外の問題は非常に広い分野から出題されています。熱流体だけの難易度を見るからに、全ての分野でも同等の難易度と考えると、若者言葉風にいうとヤバイですね。ヤバイ試験です。しっかり勉強して臨もうと思います。

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