電験その6_レビュー①マンガでわかる電気

 こんにちは

 早速ですが、マンガでわかるシリーズをレビューしていきます。

 まず最初は、最も基本だと思われる次の本から。

①「マンガでわかる 電気」, 藤瀧和弘(著), マツダ(作画), トレンド・プロ(制作),
Ohmsha, 1900円(税別)
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通読目安 :100分(漫画部:40分、活字部:60分)
全215ページ内訳:漫画部約145ページ、活字部約70ページ
難易度  :★★☆☆☆
分かり易さ:★★★☆☆
電験対応度:★★☆☆☆
ストーリー:★★★☆☆
作画   :★★★★★

 暫定的に上記の5つの評価を行いました。難易度と分かり易さはイコールではなく、難しい内容でも分かり易く書かれている場合やその逆で★の数に違いが出ます。

【ストーリー】
 地球よりちょっぴり電気機器が発達した世界「エレクトピア」の落ちこぼれ女学生レレコが地球で電気工学を研究している学生ヒカルのもとへ補習を受けに遠路はるばるやって来た。監視ロボット、ヨーノスケとともに2人と1体のシュールでほんわかした電気勉強の旅が今始まる。

 ・・・といった具合で、このシリーズで最も典型的な、落ちこぼれ女学生+教授の組み合わせに近い、落ちこぼれ女学生+(おそらく)電気工学専攻の院生の物語です。ストーリー的には、山や谷はほとんどなく、少しのギャグを挟みながら淡々と進んでいきます。まず、ジュール熱に関してみてみよう⇒次に磁力線についてみてみよう⇒・・・といった具合に、小項目を消化していきます。ただ、漫画のストーリー的に見ると、エピローグからプロローグまできれいにまとまっています。ヨーノスケの存在意義はほぼ0です。ただマスコット的キャラを作りたかっただけなのかな・・・。

【作画】
 このシリーズでは最高レベルの作画だと思います。女の子もかわいいし、表情も豊か。下書き状態としか思えない作画に力を入れていないタイトルもあるので、作画の安定性が際立っており、非常に読みやすいです。
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(左からヒカル, レレコ, ヨーノスケ)

【目次】
 プロローグ 電気の国エレクトピアから
 第1章 電気ってなんだろう
 第2章 電気回路とはどんなもの
 第3章 電気のはたらきを見る
 第4章 電気を作るしくみ
 第5章 電気を便利に使うための部品

【内容】
 電気とはから始まり、電気回路(オームの法則、抵抗の直列並列接続、合成抵抗)、 ジュール熱、フレミングの法則(左手、右手)、電磁誘導、変圧器、コンデンサ、電池、ダイオード、トランジスタが学べます。
 前半は簡単ですが、電池を過ぎ、ダイオードに入ったあたりから急激に難しくなります。全くの初心者には理解不能でしょう。漫画部は以下のように、教科書に載っていることを漫画に起こしている感じで、教科書でも学べることを分かり易く書いています。(漫画部例)
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 逆に活字部(本書ではフォローアップと呼ばれる)は、漫画部で一切触れられていなかったことがいきなり出てくる場合もあり、初心者には分かり難いと思われる部分も多かったです。(活字部例)
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 難易度的には広く浅くで、例えば知識0の人が本書の電気回路に関する部分の漫画部と活字部を読んだだけでは、以下の問を解くことができないでしょう。このレベルの浅さです。
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 その他、前半で交流の説明が出てきますが(下図)、これで初心者が理解できるかというと・・・まあ無理でしょう。sinのグラフは出てきますが、数式が一切出てきませんから。イメージを掴むのがやっとです。ただ、本書の方針的にそれで充分であることがうかがえます。
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 総括として、この本は当たりだと思います。おすすめ度は★★★★☆です。おそらく習得できる分量は該当教科書1冊の1/4程度ですが、1,2時間で読めますので、なかなかうまくまとまっていると思います。このシリーズの中には、漫画中に黒板を出し、その黒板に式やら定義やらを書いて、教授がその説明を吹き出し一杯にし、学生が相槌を打つことを繰り返して進行していく、「これ漫画にする必要あったの?無理やりじゃね?」的なものもありましたので、本書は漫画化の必然性はそこまで高くはありませんが、初心者向けには良い本だと思います。

欠点は、上でもあげましたが、この本をしっかり読み込んだところで、教科書の例題レベルの簡単な問題も解けないレベルにしかならないということです。電験の問題などもってのほかです。もう一つ、内容の割りに値段が高いことも欠点です。税込みで約2000円します。本に対しお金をどこまでかけるかの信念は人それぞれなので、興味がありましたら各自適切な手段で入手してください。

次回は「マンガでわかる 電気数学」のレビューです。

ではでは

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