電験その8_レビュー③マンガでわかる電磁気学

 こんにちは

 今回はマンガでわかるシリーズ3冊目のレビューを行います。
 
③「マンガでわかる 電磁気学」, 遠藤雅守(著), 真西まり(作画), トレンド・プロ(制作),
Ohmsha, 2200円(税別)
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通読目安 :180分(漫画部:60分、活字部:120分)
全255ページ内訳:漫画部約134ページ、活字部約121ページ
難易度  :★★★★★
分かり易さ:★★☆☆☆
電験対応度:★☆☆☆☆
ストーリー:★☆☆☆☆
作画   :★★★★☆

 本書では漫画はおまけです。(私的感想)
 これまで紹介はしませんでしたが、このシリーズは表紙をめくって一番初め、目次の前に「まえがき」があります。普通の参考書にもあるように、その本の方針や出版理由、編集者・関係者への謝辞を綴っているところです。このシリーズの大抵のタイトルは、分かりやすく書いた(描いた)ので一緒に学んでいきましょう、頑張ってくださいね、的な事を書かれているのですが、本書はまえがきを読んだ時点で嫌な予感がしました。簡潔にまとめると「大学で電磁気学を教えているが、学生が本質を理解してくれない。マクスウェル方程式を理解させるために、大学生諸君にわかりやすいように漫画で表現してみた。」

 うん、嫌な予感しかしない・・・。とりあえずレビューします。

【ストーリー】
 苦手な電磁気学のせいでこのままいくと留年となるおちこぼれ理系大学1年生の安藤レンは、絶望のあまり大学の立地する研究都市内を疾走中、爆発事故に巻き込まれてしまう。目が覚めるとベッドの上で、爆発を起こした張本人の研究者、九龍シエルに謝罪を受ける。爆発事故で負傷者が出たため、シエルの研究が停止措置になってしまうところを、事故を黙認する代わりに電磁気学を教えてくれとレンは頼み込む。電磁気学を教えてもらううちに、レンはシエルに幼き日に恋心を抱くも離れ離れとなった近所のお姉さんの面影を見出していき・・・

・・・といった具合で、典型的な、若干の恋愛要素を含めた落ちこぼれ学生+指導者の物語です。ストーリーの山や谷は他のタイトルと比べてもほとんどなく、淡々と進んでいきます。(奇抜な発想・展開のタイトルに当たるまで、同じことを繰り返し書きそうです・・・)。取ってつけたような結末で、ストーリー性は他のタイトルよりも低いと感じました。

【作画】
このシリーズの平均よりも大分上です。絵は安定していて読みやすいです。デフォルメの絵もかわいい。
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(左:九龍シエル、右:安藤レン)

【目次】
 第1章 電磁気学って何だろう
 第2章 クーロンの法則と電場・電位
 第3章 ガウスの法則、導体・誘電体
 第4章 電流と磁場
 第5章 アンペールの法則、磁性体
 第6章 動く電磁気学とマクスウェル方程式
 付録 ベクトルとスカラ

【内容】
 クーロンの法則、ベクトルとスカラ場、電束密度、点電荷と電束、ガウスの法則、オームの法則、ビオ・サバールの法則、アンペールの法則、ファラデーの電磁誘導の法則、マクスウェル方程式、レールガン、強磁性体と永久磁石が学べます。
 
 活字部はフォローアップ、ステップアップ、コラムがあり、漫画部が終わった後10ページくらいこれらが続くのでげっそりします (›´ω`‹ )。電験3種受験レベルの人が読んでもチンプンカンプンでしょう。逆に、本書にたくさん出てくるマクスウェル方程式や周回積分、ポアソン方程式は電験3種にはオーバーワークな知識です。
   
 開始10ページ目でこれです。
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 フォローアップも文字がみっちりで、対話形式などではなく、完全なる説明文です。ただ、内容は難しいですが、面白いです。こっちが本体です。著者の大学の先生はこっち(活字部)が書きたかったんだなぁというのがひしひし伝わってきます。

 漫画部はというと・・・
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 ホワイトボードが出てきた。嫌な予感しかしない・・・。
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 ですよねー。そりゃ書きますよねー。
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 書きまくりますよねー。これにリアクション芸人ごとく、レンがリアクションを取りストーリーが進んでいきます。この後に、活字部です。
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 頭痛くなりますよねー。風のうわさで、マンガでわかるシリーズ中脱落した人がトップクラスのタイトルと聞いたことがありますが、納得です。
 活字部も内容が難しいです。
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 重積分、周回積分、偏微分が普通に出てきます。
 
 じゃあ、良い点はどこかというと・・・
・コラムが面白い
・巻末に参考文献(この本の後どのように勉強するかの指南)が本の難易度順に載っている
・大学1,2年生にはちょうど良い難易度。(電験3種にはオーバーワーク)
 おすすめ度は★☆☆☆☆とします。あくまで、電験3種を頭に置いたレビューとしては本書はオーバーワークであること、演習問題がほんのわずかしかないこと、というか、本書の7割方は電験3種とは無縁の範囲であることから上記の評価としました。

 次回は「マンガでわかる 電気回路」のレビューです。

 ではでは

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