こんにちは
今回はマンガでわかるシリーズ4冊目のレビューを行います。
④「マンガでわかる 電気回路」, 飯田芳一(著), 山田ガレキ(作画), パルスクリエイティブハウス(制作), Ohmsha, 2000円(税別)
通読目安 :80分(漫画部:40分、活字部:40分)
全231ページ内訳:漫画部約133ページ、活字部約98ページ
難易度 :★☆☆☆☆
分かり易さ:★★★☆☆
電験対応度:★★★☆☆
ストーリー:★☆☆☆☆
作画 :★☆☆☆☆
ストーリーはカオスです。(゜ω゜)わけが分からないよ。
本書の活字部は漫画部に対する補足や新たな項目説明でなく、ミニキャラの対話形式のやり取りで、物語に組み込まれた形で登場するため、読み飛ばすことが出来ませんが、フォントも大きく字数も少ないため、短時間での読破が可能でしょう。
【ストーリー】
とある大学の電気工学部の教授、「増田洋太」が独自に発明した超真空装置の実験中に、謎の発光が起き、妻で同じく教授の「増田サイコ」が消失してしまう。サイコを救うべく、助手で院生の「越模麗(こすもれい)」、「火渦要(ひうずかなめ)」とともに、再び発光現象を再現し、自ら光の中に飛び込んでいく。気が付くとそこは、不思議な電脳世界。その世界で、パラレルワールドでの越模の分身「コスモ」と火渦の分身「ヒューズ」と出会い意気投合。電脳世界の謎を解明し、妻を救いだし元の世界へ帰るべく長い旅が始まる。
・・・といった具合で、なかなかぶっ飛んだ設定です(決して嫌いじゃない)。ストーリーは完全に物語進行に徹しており、説明や演習はほぼ全て活字部で行います。活字部はミニキャラ同士の対話で、読みやすくなっています。
【作画】
同人誌っぽいとても癖のある作画です。そして不安定です。ただ、そこまで読みにくくはなく、むしろ絵柄よりは意味不明な表現がたくさん出てきますので、そこはあきらめてください。
(左から火渦要, 越模麗, 増田洋太, ヒューズ, コスモ)
【目次】
第1章 電気って何だ?(電気の正体電気がする仕事)
第2章 直流回路(直列回路並列回路 ほか)
第3章 交流回路(電磁誘導正弦波交流 ほか)
第4章 三相交流回路(三相交流の利点三相交流の接続 ほか)
第5章 発電・送電(スマートグリッドマイクロ波送電技術 ほか)
【内容】
直列並列回路、オームの法則、等価回路、キルヒホッフの法則、ホイートストンブリッジ、インピーダンス、アドミタンス、実効値、交流電流、鳳-テブナンの定理、三相交流、発電・送電に関して学べます。
交流に関して100ページ以上ページ数を割いているので、重要視しているのが分かります。内容も良く書けていると思います。問題も、電験3種のA問題レベルの難易度のものもあります。活字部だけですが、鳳-テブナンの定理と問題演習も載っており、その他全体を見ても電験向けにも使用できる構成となっています。
物語は、新しい街に行く⇒敵のいるダンジョン(電気館)に行く⇒敵から電気回路の問題を出される⇒ヒューズとコスモが問題を解こうとするも手も足も出ず敗退⇒宿屋などに戻り増田教授と助手たちと勉強会⇒リベンジで問題を解くのに成功⇒報奨金とPCパーツを入手の繰り返しです。PCパーツを全部集めると、元の世界に帰れるらしい。教授達は妻を救出することと、PCパーツをすべて集めるために、コスモとヒューズは学費を稼ぐために協力して電脳世界で電気回路の問題を解いていく、といった流れです。画像だとこんな感じです。
新しい街に行き、電気館に赴き敵と遭遇。出題されます。
一度敗退するも、リベンジで問題を解きます。問題と問題を解く過程は活字部です。
問題を解くと、敵から報奨金とアイテム(PCパーツ)をもらえます。
レベルの概念(レベルが3になった等)がありますが、いつの間にかなくなります。
最後のエピローグは私の力では理解不能でした。結局増田教授らはどうなったのか、力及ばず、把握することができませんでした。さらに途中で、洋太⇔サイコ、越模⇔火渦、コスモ⇔ヒューズの恋愛要素も入ってきます。(゜ω゜)全くもってわけが分からないよ。
あと一点気になったのは活字部での説明の時、ある法則を導き出すのではなく、こういう法則があるからこう比例する、こう反比例するんだという説明が多く、本質的な説明が足りない気がしました。
(゜ω゜)全体的にわけが分からないけど、電気回路、特に交流に関する知識は整理できた気がするよ。ただし、正直漫画にする意味があったのかというと・・・。コスパを考えると有りえない選択肢ですが、まあ手に入ったんなら読んでみてもいいんじゃない?位のおすすめ度です。よって、おすすめ度は★★☆☆☆とします。
次回は「マンガでわかる 電子回路」のレビューです。
ではでは
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