電験その10_レビュー⑤マンガでわかる電子回路

 こんにちは

 今回はマンガでわかるシリーズ5冊目のレビューを行います。

⑤「マンガでわかる 電子回路」, 田中賢一(著), 高山ヤマ(作画), トレンド・プロ(制作),
Ohmsha, 2000円(税別)
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通読目安 :60分(漫画部:30分、活字部:30分)
全176ページ内訳:漫画部約140ページ、活字部約36ページ
難易度  :★★☆☆☆
分かり易さ:★★☆☆☆
電験対応度:★★☆☆☆
ストーリー:★★☆☆☆
作画   :★★★★☆

 イケメンとストーカー乙女の繰り広げるラブストーリー。
 上記全176ページの内訳を見ればわかるように、本書は漫画部が大部分を占め、活字部もフォントが大きく字数も少ないため1時間あれば読破できるかと思います。活字部は本シリーズではおなじみのフォローアップという扱いで、漫画部の補足と漫画部で登場しなかった新たな項目の説明となっています。

【ストーリー】
 舞台はとある高校の電気部。唯一の部員にして部長の紫電トオル(しでんとおる)は、今年も新入部員が来ないか・・・と部室でため息をついていた。そこへ、トオルのことを一目ぼれした新入生、江令木アヤ(えれきあや)が入部届を持って飛び込んでくる。トオルのことが大好きなアヤは、汗と涙と鼻血(興奮のあまり)を流しながら、電子回路を学んでいく。乙女心に疎いトオルと、猪突猛進のアヤが時にはすれ違い、時には惹かれ合いながら、電子回路の集大成「ラジオ」の完成を目指していく。
・・・といった具合で、イケメンと乙女のドタバタラブストーリーです。他タイトルの3倍くらい恋愛要素が強いです。基本的に、漫画部でストーリー進行・説明・解説を行い、活字部で補足説明、追加項目説明を行います。

【作画】
 作画は同シリーズで高レベルな方だと思います。デフォルメ画もとてもかわいいし、ちょうど良い漫画度合いです。
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(左:江令木アヤ、右:紫電トオル)

【目次】
 第1章 電子回路って何?
 第2章 トランジスタの仕組み
 第3章 電気回路の知識
 第4章 同調増幅回路
 第5章 復調回路
 第6章 低周波増幅回路

【内容】
 増幅回路、発振回路、変調回路、復調回路、フィルタ、演算増幅器、論理回路、電源回路、半導体、ダイオード、バイポーラトランジスタ、キルヒホッフの法則、RLC並列共振回路、エミッタホロワ回路、インピーダンスが学べます。ただし、全体的にほんのさわり程度の浅さです。
 
 電験にもよく出る論理回路のわかりやすい説明を期待していたのですが、ほんの2,3ページしかページを割いておらず、しかもAND、OR、NOTに関してのみで、教科書の例題レベル以下の内容しか解説していなかったのが残念です。しかも、載っていたのは活字部。
 
 基本的な説明構図は、背景に回路図等で、イケメン(トオル)がドヤ顔をし、吹き出し内で説明するということを繰り返します。略してイケメンドヤ顔説明です。
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 これがですね、ちょっと数えてみたのですが100コマ以上あるんですね。逆にこれ以外の構図はほぼないです。この内容を漫画にする必要はあったのかと聞かれると、胸を張ってYESとは言えない気がします。そもそも、図説でよかったのではないか・・・。
 
 活字部はこんな感じ。フォントも大きく文字数も少なく読みやすいです。
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 本書の特徴として、ストーリーの所でも書きましたが、恋愛要素がかなり高いです。そして、その恋愛要素は電気部の部長の下で電子勉強に励む動機づけにしか利用されていないので、ここまで突っ込んでいく必要はあったのか疑問です。
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 欠点は、式や理論の導出はほぼ登場せず、この式があるからこう計算できるといった説明が多い、すなわち本質を追求しない姿勢・表現が多いことです。例えばRLC回路の説明はこうなっています。
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 おすすめ度は★★☆☆☆とします。イケメンドヤ顔説明ばかりになっており、漫画としてどうなの?と感じた部分と、電験試験ではあまり関係ないテーマが多い、内容が薄い(逆に言えば初心者にとっては通読しやすいという利点になりますが)といった理由から上記おすすめ度にしました。

 次回は「マンガでわかる モーター」です。

 ではでは

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