エネ管理その13_レビュー②マンガでわかる流体力学

こんにちは

今回は、エネルギー管理士に関わるマンガでわかるシリーズの第2冊目のレビューを行います。

②「マンガでわかる 流体力学」, 武居昌弘(著), 松下マイ(作画), オフィスsawa(制作),
Ohmsha, 2200円(税別)
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通読目安 :90分(漫画部:60分、活字部:30分)
全193ページ内訳:漫画部約138ページ、活字部約55ページ
難易度   :★★☆☆☆(漫画部:★★☆☆☆、活字部:★★☆☆☆)
分かり易さ :★★★★★
エネ管対応度:★★★★☆
ストーリー :★★★★☆
作画    :★★★★☆

オカルト属性アホの子+クール先輩+博識少年が繰り広げる、まさかの恋愛要素が微塵も無い流体力学青春群像劇。
漫画部は漫画の利点を良く活かした動きのある説明が多く、活字部はミニキャラの対話形式がメインで、同シリーズおなじみのフォローアップとしての説明文が少しだけあります。ミニキャラの対話は物語に組み込まれているので読み飛ばせません。簡単な微分が出てきますが、高校で数学・物理を修めていないと少し厳しい内容になっています。ただし、流体力学では微積分は避けては通れない道なので、しっかりと勉強する覚悟を決めましょう。

【ストーリー】
とある高校の物理部に所属する、オカルト好きでどこか抜けているアホな子の絵希(※振り仮名無し。おそらく「えま」)はある日怖い夢を見てしまう。船が沈み、飛行機が落ち世界は大変なことになってしまったようだ。同じ物理部の、クールだが怖いものが苦手のアカネ先輩、料理おたくで高校生にも関わらず大学レベルの物理学を習得している白石は気にするなと諌めるも、絵希は良く考えると船が浮くのも飛行機が飛ぶのも有りえない現象だ、魔術的だと喚き立てる。絵希が哀れに思えてきたアカネ先輩は、白石に流体力学を教えてもらい、何故これらの現象が成り立つか学んでいこうと提案するところから物語は始まる。絵希とアカネ先輩は身近な例を通し、様々な現象の理論的な解釈を流体力学を通して学んでいく。そして月日は過ぎ、学年が上のアカネ先輩が卒業することになる。卒業式当日、アカネ先輩を送り出すため絵希と白石はこれまで学んだ流体力学の集大成を披露しようとするのだが・・・

といった具合に、高校物理部が舞台で、指導者が博識の高校生という珍しいタイプの物語です。動きのある説明および身近な例を持ち出す説明が非常に多く、分かりやすい内容となっています。ただし、漫画部1ページにおける文字の分量はやや多め(同シリーズの1.5倍~2倍程度)です。逆に活字部はフォントも大きく文字数も少なくなっています。ストーリー性は序盤は無理やり感がありますが、後半にいくにつれて高くなり、特に最後のエピローグにおいては衝撃(笑劇)と感動の結末となっています。

【作画】
同シリーズの平均よりは上でしょう。★3.5個分位だと感じましたが、特にデフォルメ画がかわいいので繰り上げて★4としました。
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(左から白石、絵希、アカネ)
【目次】
第1章 流体の性質と静力学
第2章 流れの基礎式
第3章 層流と乱流
第4章 抗力と揚力

【内容】
固体と流体、力と圧力、密度と比重、パスカルの原理、圧力の高さの関係と圧力の測定、平面壁に作用する然圧力、浮力、流体力学に使われる色々な用語、連続の式、ベルヌーイの定理、運動量保存則、粘性のある流れ、層流と乱流、管内の層流、物体に働く抗力と揚力、回転する物体に働く力、流れのはく離が学べます。
上記の内容が非常にわかりやすく書かれています。運動量保存則の項の検査領域が若干分かり難かったくらいで他のテーマは良く書けていると思います。大学1年生位で最初に習う基本的な流体力学の項は7割方カバーされていると思います。粘性と非粘性の説明はしっかりありましたが、圧縮性と非圧縮性の説明がなかったのが残念。

基本的に、身近な現象を例に、漫画の利点を活かした動きのある説明が繰り広げられます。
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管摩擦係数λ(=64/Re)など細かいネタ(H27年度エネ管本試で出題有)もおさえられていたりします。
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上記のコマを見てわかるとおり、一ページ当たりの文字の分量は相当多いです。ただし、平易な説明のためそこまで読みにくいということはないです。
オカルト好きな主人公のアホの子加減がいい具合です。読んでいて楽しいです。
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活字部は、おなじみのミニキャラ同士の対話形式。文字のフォントが大きく、文字数も少なくさらっと読めます。
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一部、文字だけのフォローアップもあり。こちらも他タイトルよりフォントが大きく文字数が少なく読みやすいです。難易度もそこまで難しくありません。
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絵希とアカネと白石は非常に多くのことを学習していきますが、ついに先輩であるアカネの卒業の日が来てしまいます。
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アカネ先輩を送り出すために、流体力学を学んできた絵希と白石が画策したこととは!?衝撃(笑劇)で感動的な結末で、良い終わり方度は私が読んできたこれまでの同シリーズの中で1,2位を争います。
おすすめ度は★★★★☆とします。ただし、万人にお勧めできるレベルですが、もちろん問題もあります。価格です。税込で2400円くらいします。私が学生や初学者の立場になってこの本を買って勉強するかと聞かれれば、かなり迷います。おそらく以前おすすめした、トコトンやさしい流体力学の本で勉強します。ちなみに、この本にもトコトンやさしい流体力学からの引用があります。偶然見つけました。
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漫画としての出来は非常に良く、かなりの分量がありますがさらっと読めてしまいます。ただし、あくまでイメージをつかめる程度。演習を通して学ばないと、ベルヌーイの定理を代表とする流体力学の習得は難しいと思います。
これで、エネルギー管理士試験に関わるマンガでわかるシリーズのレビューを終了しますが、他に相応するタイトルがあった場合は随時追加します。

ではでは

コメント

  1. ホリー より:

    どうもー。こちらもエネ管目指してマンガ流体力学と熱力学の本買ってみましたよ。
    流体の方はとてもわかりやすくていいですね。一方熱力学の方は途中から全く分からなくなってしまいました。
    このシリーズのファンで電気工事士の試験受けるあたりからいろいろ読んでましたが、個人的なおすすめとしてマンガでわかる「電気設備」と「発電・送配電」がいいです。とにかく作画がいい。後者はストーリーもなかなか。
    来年エネ管受ける予定なのでおすすめの本を知れてよかったです。お互い来年に向けて頑張りましょう

  2. ぬくぬく より:

    こんにちは!
    電気設備と送電は表紙の女の子が可愛くて、是非読みたいと思っていた本ですが、機会に恵まれず・・・。
    お互い頑張りましょう(^^)/